| 第四回 〜見返りのない知識を求めて〜 |
僕は高校生の頃、図書館や本屋にいるのが大好きだった
大半や、受験対策や参考書などのフロアにいることが多かったけど、息抜きに小説のコーナーや受験とは関係無い物理学の本を立ち読みしていた
彼女といる時や、友達と遊んでいる時以上の、快楽を覚えた時期もあった
受験とは、大学から出題される問題に対応して学習する、いわば機械的な作業だ
そういう作業から、一歩引いて 自分の頭や体に知識を吸収する
その知識は、いずれ役に立つであろうとか、誰かにひけらかそうとかいう気持ちは全くなく、知識を吸収する瞬間の自己欲を満たすために
ただ、今は・・
そういう時間を、どれだけ築いているのだろうか。
仕事に役立つ知識、生活に役立つ知識
全て見返りを求めながら、何かを吸収している気がしてならない
生きていく上で、必要な知識だけを吸収してこのまま過ごせば、僕が僕である理由はない
他人にとって無意味で不必要な知識こそ個性なのかもしれない
新宿の紀伊国屋をフラフラとあるいてみた
あてもなく、目に付いた本を手に取りページをめくってみる
見返りの無い知識を探してみよう
知識が体に吸収される快感を、あの頃と同じように感じ取れるまで
数時間続けてみたが、今日はダメだった
年々、体が硬くなっていることは自覚していたが、頭も硬くなってしまったようだ
少し、リハビリが必要みたいだ
完全に固まってしまう前に、ほぐしてあげないと・・・
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